MS1040
FIR Filter

MS1040
MS1040は、任意特性の適応FIRフィルタであり、クロックに同期してデータが逐次入力されるタイプのFIRフィルタであれば、どのようなフィルタにも適用可能なIP製品です。弊社独自の縮小技術であるSpinor®により、このような特徴を持つFIRフィルタとしては、RTLレベルにおいて世界最小規模のゲート数・世界最小クラスの遅延・世界最小クラスの消費電力を達成しています。
貴社要求仕様に基づき設計変更する場合も、弊社にて速やかに対応いたします。
・リアルタイムクロックで演算できる高速タイプのFIRフィルタです。
・係数、タップ数、ビット幅、精度は任意。係数は動的に変更可能です。
・ゲート数においても、レイアウト後の面積としても世界最小規模となっております。
・低消費電力機器内各ブロック、高速画像処理回路、高速通信回路、音声処理回路等に最適です。
・提供形態: Verilogソースコード (図3のように論理合成確認済み)、テストベンチ、テストベクタ。


図1   ブロック図
1.タップ入力、係数入力、フィルタ出力はすべて2の補数表現による整数です。
2.タップ入力は1クロックに1タップ分ずつ入力します。
3.係数入力は、フィルタ計算中はタップ数分一斉に与え続けます。
4.リセットは非同期です。リセットをかけると、回路内部のタップ入力はすべて0に初期化されます。
5.フィルタ出力は正規化しない値が出ます。
    つまり、タップ数をN、タップ数分のタップ入力を入力順にX[0]、X[1]、・・・X[N-1]とし、係数入力を
    ブロック図の上からK[0]、K[1]、・・・、K[N-1]とし、フィルタ出力をYとしたときに、次の式でYは表されます。
          Y=X[N-1]×K[0]+X[N-2]×K[1]+・・・+X[1]×K[N-2]+X[0]×K[N-1]
6.有効なフィルタ出力は、タップ数分の入力が完了してから3クロック目以降に開始されます。
    詳しくは下のタイミングチャートをご覧ください。

 


図2   タイミングチャート
例として、128タップ、16ビット幅、クロック同期式の任意係数FIRフィルタの場合の回路規模を図3に示します。
(回路規模は遅延制限値により図3のように異なります。貴社要求仕様に応じて選択可能です)
なお、タップ数が増えるに従い、従来設計回路と比較して、ゲート数削減率はさらに大きくなります。


● 環境

Synopsys社Design Compiler
Version   A-2007.12-SP2
Library   ARTISAN TSMC 90nm Gen.
● 論理合成条件
1.遅延制限(図3)
2.最大ファンアウト制限値: なし
3.ゼロワイヤーロード
4.動作環境条件: Slow


       図3 回路規模と遅延

注)Gate 数は2 入力NAND 換算の個数